ひさびさにほん
◆海の仙人 絲山秋子
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/08/28
- メディア: 単行本
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しょっぱなから、「なに?ナニ?何?ファンタジーって何者だよー?ふざけてんかー。」と思ったのは事実。そしてよくわかんないこのファンタジー君との2人3脚で話がすすんでいくのか....?と思っていたら、あれれ違った。
さらっと読めるけど、実はかなり込み入った話でもあり、切ない話でもあり。実はテーマは「孤独」だったりするのかもしれない。
ただ、ファンタジーの存在は、たいして役に立ってないというか...(笑)、人間以外じゃないといけないの?ふつうの人間でもこいつの代役ができそうな?? それゆえに、どこか中途半端に寓話になってしまっている気もする。ファンタジーで息抜きせよってことなのか?
ま、そんなこと考えてる私には、きっとファンタジーの姿が見えないんだろうなぁ〜(笑)見たことないし。
中盤は、日本海沿いの道を行く、ロードムービー。新潟の街がでてくるのがものすごく嬉しい。いちいち、そうなんだよ、そうなんだよ、って言いたくなった。
新潟はでかいんですよ。だから外の都市と断絶されてんですよー。(以上こころのぼやき)
最後のシーンが気になって、なんども読み返してみたけど、あれは、ハッピーエンドではなくて、不幸のまえぶれということなの??どうなのどうなの?すごく気になります。そうだったら、一番魅力的で一番すきな片桐さんの気持ちが、浮かばれないよな.....。
◆ショートカット 柴崎友香
- 作者: 柴崎友香
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2004/04/17
- メディア: 単行本
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それほど、なかちゃんという男の子の隠れた存在感が大きい。丸坊主で黒目がちで笑顔がステキで(これはたぶん推測)、酔っ払ってワープできちゃう、しかし携帯ももってない、そんな彼。
柴崎さんの本ははじめてだけど、映画の「きょうのできごと」は見た。あのなかのシーンのような、大阪弁の、たわいもない日常。ふわっとしてて、すぐに忘れてしまいそうな。だけど、なにかを目を凝らして眺めているような、そんな日常と気持ち達がこの本のなかにはあった。とりたてたオチもないけど。
読み終わってぼけーっとしてたら、ふうっと物語が浮かんできて、この物語たちのテーマは場所、時間そして移動。かなって思った。
タイトルのショートカットって、短い髪の毛のことなのかと思ってたら、近道するという意味のショートカットなんだね。このタイトル、実は深いかも。
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2003/11/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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伊坂作品の長編。ミステリーっぽくないけどミステリーだった。
過去と現在2つの話が交互に進む。2つの話が交互に進むってところは、村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を思い出した。(といいつつ大昔すぎてどんな話だったのかもよく覚えてないのだけど。)
だから最後に、この2つの話が繋がってゆくのだろうな、というのは想像できたのだけど、謎が告白されたとき、はぁー??って感じ。最初からもういちど読み返したくなったよ。ミステリー好きなら、このオチは想像できるものなのだろうか?できない気がするけど、どうなの???
「チルドレン」がおもしろすぎただけに、この話は(くらべちゃうから)今一つなんだけど。
なにが、私は納得いかなかったかって、登場人物琴美(ペットショップ勤務)がペット殺しの犯人に気づいていながら、そしてそいつらに自分が狙われていると感じながらも、助けを求めないところ。ありえない。そのうえ、あんなにおそろしい事件に遭遇しながら、ドルジに何も言わない。警察にも届けやしない。バカすぎる。怖すぎて何もできない、って気持ちが書いてあったけど、それおかしいって。警察に言えなくても、身近な人には言うよ。絶対言うって。いや、言いなさい!!自分の体験からもそう思ったんだけどー。
しょせん、物語なのねん。そしてやっぱりミステリーは今のところ私にとってエンタメなのだ〜。どうなっているの?最後どうなるの?とページをめくるのがおもしろいのだな、って。
でも、伊坂さんはミステリーっだー!て肩ひじはらずに読める感じは好き。伊坂作品、まだまだ他のも読みたいけど、やっぱり「チルドレン」の続編が読みたいなぁ。でないのかなぁ〜。陣内〜。長瀬〜。もうメロメロでそればっか(笑)
◆かくたみつよさんのこと
エッセイ、おもしろかった。このひといろいろなモノをよく見てるなー。恋愛小説「あしたはもっと遠くに行こう」も読んで、なんか角田さんでおなかいっぱい。
角田さんについてはそのうちにまとめて書こうかと。今月号の「ダ・ヴィンチ」は角田光代さん特集もありますぜ。