ぐ . るぶる ver.20

ナツ もしくはnatsuまたは夏 が書いてます。残す場所。

かりてました。よみました。


しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)

[一瞬の風になれ」で大ブレイクしちゃった佐藤さんですけど、
私も間違いなく佐藤多佳子ファンです。「一瞬の〜」は1巻しか読んでないけどね。
ずうっと読みたいなぁと思っていたこの本が、オンボロ図書館にあって即借り。しかも珍しく文庫で。


で、まだまだ修業中の落語家が、訳アリの人たちに、話し方教室と題して、落語を教えていくという。
まあ、いわゆる成長ストーリーなわけなんですけど。
でもね、でもね、この話、登場人物が本当に心に傷のある訳ありなひとばかりなもんで、
ぜんぜんスルスルとすすまないの。いちいちいちいちまどろっこしいというか、めんどくさいというか。
不器用なひとたちの話って、「やるぞー!」「おー!」って感じにすがすがしく進まないもんなんすよ。でも、そこに現実味があるんだなぁ。どうしようもなく小さいことで悩んでいることなんか見てると、共感できる部分も叱咤したくなっちゃう部分もでてくるわけで。
私は佐藤さんの本にしては読みにくいなぁと感じた部分もあるのだけど、
たぶんそれは、著者が専門用語をたくさん使ってるところにも関係してくるのかも。でも、それだけきっちり落語についても勉強してるんだろうなぁってのもわかるんです。
佐藤さんって、本1冊書くのにすごく勉強して取材して、時間をおそろしく費やす人だってなにかの記事で読んだのだけど、なるほどなぁと思っちゃいますよ。(だから、作家としては長いのにいまだ寡作なんだそうです)


人間はコミュニケーションが大事なの。不器用なひとこそ。まとめるとそんな話、かな。
この本の中で一番イキイキしていて強いキャラは小学生の村林くんでしょう。


実は、これ、国分君主演で映画化だそうなんですけど(もう公開してるのかな?もうすぐ??)
村林役の映画キャストは勝手に私、須賀健太君をイメージしてました。...でもちがう子役さんみたいです(笑)
このどん詰まり感とか、うまくいかないモヤモヤ感とか、どんなふうに映画にしたのか見てみたい気がします。


とか言ってるけど、やっぱり私の多佳子本イチ押し
「黄色い目の魚」には勝てないカモ。


ドラママチ

ドラママチ

短編集
角田さんの本があると条件反射で借りてくる。
やっぱりヒトクセある角田節、後味悪そうな感じも含めね。
そこがやっぱりおもしろい。
8つ(かな?)の短編の中で、イチ押しなのは表題作の「ドラママチ」
これだけは、読むとちょっとあたたかくなる。ほっとする結末。


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