ぐ . るぶる ver.20

ナツ もしくはnatsuまたは夏 が書いてます。残す場所。

翌日もまたも東堀へ。
その前に、市の美術館。
RIKI展。学生時代の教授の遺作展。
彫刻家であり彫塑科の教授だった方。
直接の恩師ではないけれど、彫塑や溶接の実習などなどお世話になった。
ぷっくりしたおなかにサスペンダーのズボンが似合ういつも豪快で笑顔の先生だった。
猫と食パンと珈琲。そんなイメージの実習室は独特の雰囲気が漂っていて、
遊びに行くと必ず猫がニャーニャー近寄ってきてた。



ブロンズの初期作品からアルミ板を溶接した最近のものまで。
たくさんの大きな作品が展示室にぎゅっと詰まっていた。
賛同者の出品ブースになつかしい先輩方の名前と作品を発見。
「先生、お茶の時間ですよ!」と名付けられた円いテーブルの形をした彫刻作品には
マグカップと食パンの山が彫りだされていて。テーブルの下には猫が顔を出していた。
あの頃の彫塑科の部屋がそのまま再現。
なつかしさで泣きそうになるのは歳をとったからなのかな。



古町へ。気になっていた場所に寄ってみる。
ニュースのとおりだった。
その場所はいまだ焼けた匂いがして、後ろには骨組みだけが残っているのが見えた。
そして、予想していたとおり、「ある場所」はその隣にあった。正確には同じ建物の中。
とても気になることがあって仕方がないのだけど、その方に連絡をとるべきなのか、
そしてどうやって連絡をとるべきなのかも、わからない。
再開の予定はあるらしいという貼り紙を見ながら立ちつくすのみ。



ぼんやりしながら歩いているともう時間。
待ちあわせに合流して、手土産買いつつ、東堀のN7へ。
小さな手作りギャラリースペース。
知人の個展。
会うといつも首からカメラを下げているニコニコ顔のかわいい人。
はじめて揃って見た彼女の写真たちは、わたしの予想を裏切っていた。
瞬間を切り取っているような感じ。少し粗削りで勢いのある部分もあり。
昔の作品集を見せてもらった。その写真たちは、私のイメージどおりだった。
撮りたいものって変わるのかな。写真にも気持ちがあられるのかもしれないな。
そんなことを思った。変化は意図したものか無意識なのか。本人見てると無意識っぽい。
次が見たいな。
  


エトアールさんで珈琲タイム。
古町のまちなかは、カフェじゃなくて、喫茶店に行きたくなる。
ひとくち飲んだ今日の珈琲はえっ?と思うほどおいしかった。そして超良心的価格。


ひさびさの近況トークは、妄想トークへ。
どうやって人を呼ぶかっていう相談に始まって
場所のこと、お金のこと、お客さんのこと。勝手に想像。
だれに来てほしいだの、このひととブッキングだの、あーだこーだと妄想はどんどん膨らむ。
しかし現実的に考えると、大人数を遠くから呼ぶっていうのは、やっぱり金銭的問題が壁...


妄想トークを繰り広げたあとに、最近の雑感トーク
ヒトはヒト、自分は自分。
たぶん、自分が思うことは世の中の誰もが思うこと。
羨ましいと思っていても、実は逆だったりもする。
できるだけ、些細なこと、どうしようもないことは気にしないこと。
...などと、自分にも半分いいきかせ。




気分よく家に帰ると、なんだか現実が待っていた。
私の目下の悩みはこれだろな。
歳をとればとるほど、背負うものも大きくなっていくような気がする。
それでも、立ち向かわないといけないもの。
なんでスムーズにいかないのかな。
神様は、いつも私の前にハードルを用意しているみたいだ。