沖縄を舞台にした3つの小説集。
ばななさんの本は、近年、なんというか神懸かる?というのかちょっと宗教的な匂い(宗教的教え、という意味ではなくて、精神論的なもの)
が漂ってきていて、こころに覚悟させながら読んでいた気がするのだけど、
この本も、最初、そんな話なのかも...と思いつつ。1話の途中でちょっと逃げた感じ。
でも、3話めの「なんくるない」を読んで、めちゃくちゃやられてしまった。
ばななさん自身があとがきで小説としては失敗(?)と語っていたけど、小説とかつくった話ではないなにかがそこに降りていた。
読んでいてなんだか泣きそうになった。それは悲しいからでも嬉しいからでもなくて、じわじわ浮き上がってくる感動?
なにかふわふわした、つかみどころのないもの。生きていくうえで、大事にしたいものとかこころとか言葉とかが、登場人物の口を通してするすると発せられていく。
欲しかった言葉、がそこにあって、別れるのが惜しくなって、
返却ギリギリ時間に図書館の隅でこっそりメモした。
そして、沖縄に、無性に行ってみたくなった。
- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/11/25
- メディア: 単行本
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考えてみたら、私が、急に読書ブームに突入したきっかけは、ばななさんなんだな。
このひとのトークで、昔の読み直してみたくなって...あとはズブズブ本の沼に嵌まってる。
ありがとう。だよね。ばななさん。