- 作者: 柴崎友香
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2005/04/14
- メディア: 単行本
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柴崎さんて、OLやってたひとなんだろうか?私は知らないのだけど。
雑誌で見た彼女は、作家さんらしくない、おしゃれさんでかわいらしくて、今どきの音楽好きっぽくてなおかつ聡明そうな方だったのだけど。
この本は、美大卒業してとりあえず普通の企業に就職したOL1年生の日常が綴ってある。
会社って仕事ってこんな感じなのかな。結構地味だな。なんて感じに思うんだろうな。一般職のOLさんなら、共感できるだろうなーっていうそんな話。
就職控えた女子学生さん読んどけ、っていう。
ただ、この会社殺伐としたところがあんまりなくて、ほんとにぬるま湯っぽいというか、のんびり会社だなーとは思うけどね。
しかし、残業もほとんどないような会社で働いてて、ボーナス30万。だからOLやめられないんだな。結構楽じゃん。とか思われても仕方ない。
先輩には「少なくてびっくりするよー」なんていわれてるあたり、ちょっと憎たらしくなってもくる(笑)
「働けど働けど、我が暮らし楽にならざり。じっと手を見る...」と自分を振り返って切なくなってきたぞ。
柴崎さんは、今の普通の若い子を書くのがうまい。ま、その歳の人にしか書けない話ってあるわけで。
いくら人気作家でも、ちょっと年寄になっちゃったオバサン作家には書けないと思う。洋服屋で働いてる友人がデザイン仲間で、フライヤーとか知り合いに頼まれてつくったり。イベントやらクラブに出かけていったり、ライブを楽しんだり...
柴崎さんってどっかの女性雑誌のエッセイとか書いててもおかしくないよね。いや、私が知らないだけできっとどっかで書いてるんだろうな。
◆伊坂幸太郎「砂漠」
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/12/10
- メディア: 単行本
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仙台の街の変わりゆく季節を舞台に、キャンパスで知りあった男女6人が砂漠に雪を降らせようと格闘する..。涙と笑いと感動の等身大リアル青春小説....
なんてことはまるでない。
という感じに、読書中はあのフレーズに感化されること間違いナシなのだけど。(読んだヒトだけわかって。)
ぷはっ。と、わかっていながら何度も吹きだしちゃうんですってば。こういうところが伊坂スキだわ、って思っちゃうとこです。
仲間っていうのはいいねぇ、としみじみ思って、学生ってよかったよなー、なーんてついつい懐かしんでしまうけど、
はっきり言っちゃうと、この手の感じの青春仲間もの、って金城一紀に任せればいいじゃーん、って思う(笑)
勃発する事件もいまいち盛り上がりに欠ける内容だし、しんどいのは、麻雀用語が死ぬほど頻繁にでてくること。麻雀やらない私としてはかなりうざいし、先を読む気分がそがれちゃった。
ただ登場人物。西嶋キャラは立ってるねー。「チルドレン」の陣内に次ぐ魅力キャラ。
ついでに東堂さんも。西嶋&東堂はベストカップルだろな、やっぱり。
砂漠、これはこれでおもしろいんだけど、比べるならサクサク読める前作「死神の精度」(感想書いてなかったと思うけど)のほうを私は勧めたい。
あ、ついでに「魔王」も読みたいなぁー。
まだつづく、かも。