ぐ . るぶる ver.20

ナツ もしくはnatsuまたは夏 が書いてます。残す場所。

ネオテニー・ジャパン@近代美術館
どうしても今会わないといけない友人、に会うために長岡へ。
運よくネオテニー初日。


・ふたりでギャラリートークに参加。
秋山さやか氏、須田悦弘氏、加藤泉氏、鴻池朋子氏の4人。
客として質問もしたけど、須田さんのスルメの話がおもしろかったな。
鴻池さんは年齢を見てご本人を見るとほんとに驚く。10コくらい楽にサバ読めそうな。
ご本人、話をするのがうまい。企業で活躍されていらっしゃったかただからかな。納得。


・今回のお気に入りは
佐伯洋江、町田久美、西尾康之、あと池田学、加藤美香。
もちろん、須田さんや奈良さん(出品作は昔のもの)三沢さん、山口さん、あと名和シカあたりはいうまでもなく。
意外に鴻池さんの作品(鴻池ワールドは大きく展開されているのだけれど)は私の好みではないのです…。あたしってファンタジーの世界の人間ではないなーとしみじみ…。



・さて、この展示の何がすごいって、やっぱり、作品全部が一個人の所蔵品だってこと。
おかねもちってすごいですね。高橋先生も、医者でよかった、と本の中でもいってるし。
ただ、高橋先生はお金がありあまって美術品を買い集めてるわけじゃなく、
目的を持って作品を収集されている、ってことだけは書いとこ。(一応フォロー)


実はわたし、「現代美術」がすごく好きなわけじゃなかった。全部を肯定できない自分がどこかにいる。
今もそう。
学生時代の友人(制作してた)に聞いても、ほぼみんな似たようなことをいうんだよね…。
ま、美術とかアートの定義から考えないとならなくなるんで端折るけど。



・「ネオテニージャパン」の展示は楽しみにしていたけれど、
旬の作家さんを見に行こう!おもしろそう!みたいな、ミーハーな気持ちも半分なわけで。
音楽の世界で言えば、フェスいこう!いろんなひと見れるし!みたいひといっぱいいるし!みたいな、
正直そんな感じなのだ。


で、旬の作家さんたちの作品を一同に見れるのはやっぱりおもしろいし、
本物をみると、写真だけではわからない、つくる工程や手跡が見えてきて、
評価される作品にはそれだけの時間と手間と技と…うーん、努力なしにはできないんだよなー、と思う。
私はどちらかというと、「つくる工程」みたいなものを重視して作品を見てしまう人だからかもしれないけども。


あと、現代美術の作家さんって、基本「孤独な作業」との戦いだよね。
万人に理解されるとは思えないものの制作だったり、いままでなかった価値観の確立だったり、
まあ、わかりやすいものをつくろうなんて思ってない、ってところから始まってる。
私は、わからないものを無理にわかろうとしたくはないし、
作品を見てどう思うかなんて、見る人の自由だと思う。
鴻池さんも言ってたけど、それは作品と観客との対話なのだ。それと作家の気持ちなんて別物。


なので、
感覚的に好きじゃないものも、気に入らないものも、私はもちろんあります!
…と言いたかったのだ。えへへ


・それから、今回のは高橋コレクションの中からピックアップされた作品たちなわけだけれど、
タイトルの「ネオテニー」の言葉に納得いくものもいかないものもある。
その言葉で、ここにある作品をひとくくりにまとめられないよなーと思うんだよねー。うーん。
ま、「ネオテニー」の言葉は
今回の展覧会の作品を象徴しているというより、今の時代を象徴しているんだろうなー。


常設展の「現代美術のクラシック」、こっちも見とくべし!!
こちらにもおもしろい作品たくさんありますよ。
ネオテニーではない現代美術、堪能できます。おすすめ。


ネオテニー・ジャパン──高橋コレクション

ネオテニー・ジャパン──高橋コレクション



佐伯祐三展@万代島美術館
佐伯祐三の絵=私の中のパリのイメージ といっても過言ではないのです。
昔から好きだった洋画家
1920年代パリに憧れ渡航、パリで亡くなった。30歳。


ネオテニーの数日後に見に行って、
私はやっぱり「絵」が好きなんだなーと思った。
ネオテニーが野外フェスなら、こっちは武道館ワンマンライブ、みたいな。(ちなみに東京ドームライブでも、ちいさなライブハウスでもなく…武道館でもないかなー、雰囲気的にはNHKホールでライブ、くらいでしょうか?)


ただ絵が描ければいい、ってわけじゃなくて、
憧れのヴラマンクに批判され、ユトリロに憧れて、自分の絵を模索するようになっていく、
そういった、画家の歴史みたいなものを見ることができる展覧会、私は好きです。


佐伯の絵は万人受けする絵なんだろうなーと思う。
美術に興味なくても、佐伯の絵は必ずどこかで目にしたことがあるはずで。
今考えると、佐伯の絵には、80年代とか90年代を先取りするような、オシャレさがあったんじゃないのかな。
子供だった私も、だからすきだったんじゃないのかな、と思う。
当時、突出してた日比野克彦さんのデザインとか書き文字なんかにも通じるところがないですか?
ま、モチーフが広告塔とかカフェとかだから、当然といえば当然か…


ともかく、おススメ。