読了本紹介WEEKだったはずなので。
家族の話 多かったな
◆江國香織「流しのしたの骨」
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 1996/07
- メディア: 単行本
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変な家族、と江國さんはあとがきで書いていたけど、確かに変な家族ではあるのかな。
だけど、とにかくこの家族って仲良し家族。主人公のことちゃんも、仲良しが自慢なんだ。
いまどき、こんな家族って?と思うかもしれないけど、なんだか私はとってもうらやましかった。
ことちゃんは、20歳になるのになんにもしていない。つまりプーな訳だけど、それを悪いこととも思っていない。成人するまで親には扶養の義務があるって自然に言い切っている。
変わり者の家族たちなのに、なんだかとっても、あまーい空気が漂っていて、でも全然嫌みじゃない。
家族じゃないけど、ことちゃんの彼氏、深町君ってのがまたとってもステキなキャラで。いいなぁー。大学生になる(つもりになった)ことちゃんと深町君の恋模様も覗いてみたいもんだな、と思った。
あまい空気が嫌みじゃないのは、江國さんだからかなぁ。江國さんの本は大人の恋を書いた話よりこのあたりの物語の方が好きなのかもしれない。と思った。
あと、読んでたらぎょうざが作りたくなるー(笑) だもんでこの前、餃子つくちゃったよ。夏だから水餃子ね。
◆西加奈子「さくら」
- 作者: 西加奈子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/02/23
- メディア: 単行本
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さくらといえば、直太朗かケツメイシか、って感じですけど、今年の春はこの本が話題だったよね。
でも、この本の「さくら」は花じゃなくて、犬の名前なんだけど。
「なぜ、お父さんは家を空けているのか?」「なぜ、兄はいなくなってしまったのか?」読みはじめてすぐに、そんな謎にぶちあたる。あれれミステリーか??
それが知りたくて読み進めていくのだけど、話は3兄妹の成長物語と家族の話から。
なんでもできる兄とか容姿端麗なのに凶暴な妹とかネタはすごくおもしろいなーと思いながらワクワク読んでいたのだけど、事件が起きる後半からがきつい。事件そのものがきついというよりも、表現の仕方が読んでいてきついのね。
まるで、「改造ビフォーアフター」のサザエさんのひとのナレーションで「なんということでしょう!(チャンチャチャララ、チャンチャチャララ〜♪)」という声が聞こえてきそうなほど、大げさな表現が繰り返されてくる。「ああ!」とか「なんて〜!」とか多すぎ。もう、結構...といいたくなった。
途中までおもしろかっただけに残念で。まあ、後半のみならず全体的に、過剰表現みたいなのが多いんだけどさ。
本の宣伝文句のようにはこの本で泣けないし感動もしない、というのが正直な気持ち。何が「奇跡」なのかも、よくわからなかったよ。大袈裟感、に引いてしまったのかもしれない。
ただ、さくらという犬の存在にはとても共感できて。犬って不思議な存在。しぐさを見たり、遊んだり、勝手に話しかけては、気持ちをわかってもらえているつもりになったりするんだよね。ウチもあのバカ犬がいるおかげで、なんだか丸くおさまっている部分がいっぱいあるもんなーと思ったりしたよ(笑)
家政婦は見た!ならぬ、お犬様は見ていた、ってことかな。
そうだなー、できれば、作者の他の本読んでみたいな。
- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/11/28
- メディア: 単行本
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うーん、参りました。って感じ。
最近、角田さんのは、オバカ男女のドロドロ話ばかり読んでた気がするのだけど、これは家族もの。
家族(とその家族にかかわるひと)それぞれの視点(それそれを語り手にして)で短編が成り立っていて、ものっすごくおもしろい。今まで読んだ角田本のなかでも、一番おもしろいと思うのだけど...
話は勘違いで成り立っていて、それぞれの探り探りな駆け引きも絶妙。
だれが主人公?かといったら、みんなが主人公なんだけど、最後の最後で、この話のかなめは、母親とその実母の関わりなのかな?と思えてくる。映画の主演はキョンキョンらしいんですが、なるほど母親役が主演、てのがわかってきた。映画ではどういう展開になっているのか、観るのがとても楽しみなのです。
いつもながら、登場人物に語らせるようにして、実は角田さん本人のいいたいことを言葉にしているところにやられます。なにかしら、共感してしまう。うまいなぁー
この話、結末がないというか、解決していないところで終わるわけだけど、本音をいえば続きが読みたいね。
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以上、3点家族本ばなし、でした。