ぐ . るぶる ver.20

ナツ もしくはnatsuまたは夏 が書いてます。残す場所。

三本いきます。

少年メリケンサック
おもしろくみれました!
クドカン映画って、あんまり合わないかもなー、と今まで思っていたけれど
バンド映画、と言われたら、観ないわけにはいきません!
峯田君や向井さんが音楽やってるっていうし。トモロヲさんもでるらしいし、
あおいちゃんみたいのももちろん、その彼氏が勝地涼で乙女ギタリスト役?とか言ってたしー。
(勝地くんは子供から大人まで、シリアスからコメディまで、役柄のマルチぶりがすごいといっつも思ってんの!)


ありえない展開とか(社長にあわせずにツアー決定とか)、
つじつまあわないとか(知ってる人は25年前の映像・昔のバンドってわかるでしょ。名前でてるんだし)
とか、そーゆーことはどうでもいい。コメディだからさ。


勢いに乗って見れちゃうのは、やっぱり私がバンド好きだったから?
あの若き頃の解散ライブのシーンは、ライブ映像としての撮りかたもイイ!
峯田君の金髪ジミーぴったし!だしね。オーディエンスの盛り上がりも最高。
実際の人気だったパンクバンドの映像そのもの。…って、もしかして、あれはほんとの銀杏BOYZのライブ映像とか使ってんの???


ということで、まずそこに「クドカンやる気だ…!」と引き込まれてしまったわたし。
ま、そのあとはほぼ宮崎あおいのぶっ壊れぶりを楽しむ(変顔も怒った顔もみんなかわいい。)コメディーなんですけど。
年を取った中年メリケンサックの面々たちも、うまくそろえたよなーって感じします。
佐藤浩市は唯一パンクという名に似合ってない(他の役のイメージが強いのかも)気もするんですけど
まあ、あの4人でバランス取れてるのかもな。
ユースケやピエール瀧もはまり役。
映画に瀧さんでてくるとなんか安心する!うまいよね、このひと。
あと、あのガクトみたいなひとKENTOだっけ?あれ、田辺誠一???ですよね??なりきってて笑う。
そしてキャスター役にほんとに中村敦夫さんとかでてて笑うし。
あの無臭のバンドメンバー、○○○ックじゃん!
マサルのなよなよ男子ぶりもいいし、歌もウケるー。さくらららー。


って感じで、たぶん、私にとってツボがいっぱいあったし、わかる世代だからおもしろかったんだよね。
でも、なんてったってこれは、クドカン自身が脚本書いて監督もして、全部やってるからおもしろいんだと思います!
今まで、クドカンが全部やってることってなかったよね??野次喜多は原作あったし、舞妓ハンのは監督違うし。
好きな題材で好きなものつくれるってすてきなことだよね。おもしろいにきまってるよ!!やったー。


でも、さいごのは、なんで2人でユーミンなのかわかんね。
守ってあげたい=ねらわれた学園、ってことで、映画パロディにしたかった、ってことでいいんでしょうか。ね。


〜〜〜さっき、サイトでキャスト見てあぜん。
チョイ役にすごいひと使ってたのねー。大御所ロッカーたち…。よくオファー受けたなぁーー。



その日のまえに
ナンちゃんと永作さんが夫婦役。
売れっ子になったセレブイラストレーターとその奥さん(お医者さんより余命宣告済み)という設定。
簡単にいうと、「その日」を前にして、どうやって目の前のものや心の整理をしていくのか?という内容。


大林監督の映画を、すんごいひさびさに見た気がします!
そしてまさしく大林映画なのだと…おもうのでした…。


リアルの中に、ファンタジーをたくさん投入してくるあたりが。
ちょっと古臭いというか、懐かしい感じ(笑)の映像の処理の仕方とか。


でも、意外にこの感じ嫌いじゃないんだなぁ、わたしは。大林色でいいとおもうのです。


ただひとつ引っかかったのは、
いくら、本人が死ぬ間際まで、教えないで、って言ったとしても
ほんとに子供に伝えないなんて父親にできるんだろうか。本人にも。
自分の死が近いってことをわかっているのに。
確かに母親はすごく強い人だとは思うけど。
友人、とか、疎遠になってる親、ならわかるけど、いつも一緒にいた愛してる子供なのに。
幼子ならともかく、もう大きいの子たちなのに。
自分の周りの経験から、なんかその状況がちょっと納得しかねるな。



あと、この映画って、「死」を前にした夫婦の毎日を追うという話とは別に、
たぶん監督がやりたかったのは「宮沢賢治ワールド」をつくること、なんですよね。
賢治の妹はトシ子って名前で、トシ子は兄の1番の理解者で応援してくれていた、っていうのはわたしも知っているのです。
トシ子が死んだ時のことを詠んだ歌が「永訣の朝」だというのも。
そして、それを収めた詩集が「春と修羅」という本ということも。
…なぜ、わたしがそれを知っているかというと、去年たまたま、宮沢賢治展をみているからなんですけどね(笑)


だから、「くらむぼん」という歌う人の役をつくって、クラムボンに「永訣の朝」を作ってもらったんですよね。きっと。
名前のとおり、今のクラムボンや郁子ちゃんは、宮沢賢治の詩を曲にして歌うのはとてもとても似合うと思うけれど。
そういえば、ほんとのクラムボンのバンド名の由来って、宮沢賢治なのかなぁ?初期の頃はそんな感じの曲ではなかったですよね?
だれか知ってる人教えてー。


と、それはおいておいて。
劇中、チェロ弾きのくらむぼん役で出てきて、ほんとに歌を歌っていたのは、
クラムボンではなく、なんだっけ・・・えーとえーと、あのひと。ハチクロドラマのあゆ役のひと…原田夏希
だったんですけれども、
原田さんは、こーゆー役のほうが似合いますね。歌声もいい感じだった。
明るい役とかカワイイ役より、大人っぽい役とかシリアスもの。現代劇より昔のドラマのほうが似合う人なんじゃないかなーとわたしは思いましたとさ。


ということで、なんだか、話がひとつじゃないわけですよ。
茶店のDVの女の人の話とか、駅長さんとよばれる鉄道少年の話とか(これがいまいちわからん。気色悪いだけという気がするけど、大林さんのことだから、なにかたぶん意味があるんだと思う)
なんだかいろいろ小話が挟んであるつくりでした。
さいごの手紙も、なんかしっくり来ない気もするけど、
まあ、いいか。とにかくわたし、嫌いではないのです。この映画。


あ、一番気になったこと。
コンビニの店員さん!!
あれー?このひと誰だっけ??見たことあるけど、だれだっけなーーー???
とずーーっと気になってて、とちゅうで「あー、お笑いのひとな気がする...」と気づいたけど
それでも、「でもだれだっけ...」と思ってたあの人!
ふと思い出してすっきりした。
ヒロシです。そう、あのヒロシなのでした。
すっごいいいのよ。これがまた。
エンドロールでヒロシという名前はでてこなくて、あれ?って思ってたけど
違う名前で役者をやっているようです。
断言します!このひと、いい俳優さんになります、絶対。今後映画で見る機会ふえると思うな。
あの「ヒロシです。」とは違うオーラ。なんでしょう。この人なにがあったんでしょう。気になるっ



旭山動物園物語
いつもだったら見ないだろう映画なのですが、
あさひやま動物園と、絵本作家のあべ弘士さんがらみで、思い入れがありまして
見に行ってきました。っていうか、ワーナーポイントたまって無料で。


旭山動物園がボロボロの動物園だったことも、
その間、何十年も、職員さんが夢の動物園について妄想談義していたことも、
市長が替わって、お金が下りることになって、今の超人気動物園が生まれたことも、
いろいろ見知っていまして。ほんとの話のはずなんです。
ま、もちろん、脚色してあるし、市長さんは実際には女性じゃないとおもうけどね。
絵本作家に転向することになった飼育員さんは、あべ弘士さんのことだけど、
中村靖日さん演じる飼育員の虫が好きな少年だったというエピソードも(いじめられっ子の話は作り話かなと思うけど)、
あべさんの少年時代の話から持ってきたものだと思います。


ただ、この映画、子供向けかなーなんて、子供を連れて行ったら、ちょっと失敗すると思うんです。
どちらかというと、大人のための話。
それに、なんか、こう、話の流れがうまくないというか、盛り上がるはずの部分で上げきらなかったり、
泣けるはずの部分で泣けなかったり。
ことごとくはずした感があって。もうちょっと感動できるつくりにできたはずなのになぁーとちょっと残念。
出演の俳優さんたちも西田さんをはじめ、ベテランさんぞろいでよかったはずなのになぁー。うーん。


結局、思ったのは、市長がかわれば、市の施設なんてどうにでも転がるってことです。
よくも悪くも、トップの人次第。
ということを、しみじみと感じてしまって、ふうーとため息をつきたくなってしまったというのが本音です。
監督のマキノさん=津川雅彦は、ほんとに動物好きなんだろうなー。
津川さんの動物のリアルぬいぐるみのショップ、わたし大昔連れて行ってもらったなぁー。今もあるんでしょうか?
ともかく、動物好きのかたが、監督さんになって、こうやって動物園を応援しているのは
嬉しいことだよなぁって思います。


おしまい。